発達障害
発達障害

発達障害とは、生まれつき脳の働き方に違いがあることで、行動や学習、社会的な関わり方に特徴が現れる状態を指します。主なタイプには、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、限局性学習症(学習障害)などがあります。
発達障害は早期に理解し、適切な療育や支援を受けることで、お子さん本人の能力や自信を伸ばし、家族や周囲との良好な関係を築くことが可能です。当クリニックの発達外来では、発達障害の診断・治療・療育支援のアドバイスまで、包括的にサポートいたします。
これらの疾患に関する診断や、生活や学習の支援方法についてアドバイスを行います。
発達障害は子どもだけでなく、大人になって初めて特性が顕在化する場合もあります。大人の発達障害では、以下のような特徴が見られます。
自閉スペクトラム症(ASD)
コミュニケーションや人間関係が苦手で、行動や興味・動作のパターンが限定的。日常生活を決まった行動に沿って過ごす傾向があります。
注意欠如・多動性障害(ADHD)
注意を持続することや集中、課題の完遂が難しく、衝動的な行動や過剰な活動性が見られることがあります。
ASDとADHDが同時に存在するケースもあります。
大人になって発達障害に気づく場合、環境や役割の変化によって特性が顕在化することが多く、適応障害やうつ病などの二次的な精神症状を伴うこともあります。
発達障害は、神経や脳機能の発達の偏りによって生じます。この偏りは、注意力・記憶力・知覚・言語・問題解決能力・対人関係に影響を及ぼします。
原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因や出生前の環境(例:ウイルス感染など)が関与している可能性があります。
子育てや養育環境が原因で発症するわけではありません。
ADHDでは、神経伝達物質の異常が関係している可能性があり、治療には神経刺激薬などが用いられることがあります。
大人になって発達障害が明らかになる場合、まずは適応障害やうつ病などの二次的症状の治療を優先します。その上で、発達障害に基づく自身の特性を理解し、個性として受け入れることで、日常生活や仕事での困難を改善できる場合があります。
このように、発達障害は早期の理解と支援、そして大人になってからも適切な治療とサポートによって、よりよい生活と社会参加が可能です。
自閉スペクトラム症(ASD)は、生まれつきの脳の発達の特性によって生じる発達障害のひとつです。かつては「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」などと呼ばれていましたが、現在ではこれらをまとめてASDと呼びます。
ASDの特徴や現れ方は人によってさまざまで、「一人ひとり異なる特性をもつ」という点が大きな特徴です。
主な傾向としては、
などが挙げられます。
また、感覚に過敏さがみられたり、運動面で不器用さを感じたりする方もいます。
幼児期には発達や感覚の違いが見られ、早期に気づかれることもあります。学童期以降になると、学校生活や人間関係の中で課題が表れやすくなる傾向があります。
近年は、早期から支援を受けることで、自分の特性を理解し、社会でいきいきと生活している方も多くいらっしゃいます。
一方で、特性への理解や支援が十分でない場合には、ストレスや誤解が重なって「二次的な問題(不安・うつ・不登校・ひきこもりなど)」が起こることもあります。
お子さんの発達や行動に気になる点がある場合は、早めのご相談をおすすめします。
お子さん一人ひとりの特性を理解し、適切なサポートを行うことで、安心して成長を支えることができます。
注意欠如・多動性障害(ADHD)は、生まれつきの脳の働きの特性によってあらわれる発達障害のひとつです。
主に「不注意」「多動性」「衝動性」という3つの特徴がみられますが、その程度や現れ方は人によってさまざまです。
これらの症状は、学校生活や仕事、人間関係の中で困りごとにつながることがあります。
しかし、ADHDの治療の目的は「症状をなくすこと」ではなく、自分の特性を理解し、上手に付き合っていく工夫を見つけることにあります。
治療では、心理的・社会的な支援を中心に、必要に応じて薬物療法を併用します。
環境を整え、本人の特性に合わせたサポートを行うことで、二次的な問題(抑うつ・不安・不登校・ひきこもりなど)を防ぎながら、生きづらさを和らげ、よりよい成長や社会参加を支えていきます。
お子さんやご自身にADHDの特徴が見られると感じた場合は、どうぞ早めにご相談ください。
早期に特性を理解し、適切なサポートを受けることで、生活のしやすさや安心感が大きく変わります。
限局性学習症(LD)は、全体的な知的発達には問題がないにもかかわらず、
「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」など、特定の分野でのみ学習の困難がみられる発達障害の一つです。
人によって苦手の現れ方が異なり、目立ちにくいこともあるため、周囲が気づきにくいケースも少なくありません。
学校での学習到達度に1~2学年程度の遅れが見られることが、診断の目安の一つとされています。
代表的なタイプには以下のようなものがあります。
限局性学習症のお子さんにとって大切なのは、本人の努力不足ではなく特性による困難であることを正しく理解し、
その子に合った学び方や支援を行うことです。
学校や専門機関、家庭が連携し、得意な部分を活かしながら成長を支えることが重要です。
近年では、発達に気づかれた段階から早期に支援(療育)を始めるケースも増えています。
早期に適した環境を整えることで、学びのスキルを身につけやすくなり、
同時に、抑うつや自尊感情の低下といった二次的な問題の予防にもつながります。
お子さんの学習面で気になる点がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
早めの理解と支援が、将来の自信と成長につながります。
チックは、回数の多いまばたき、顔をしかめる(運動チック)、咳払いや舌打ち(音声チック)など、意図せずに起こってしまう素早い身体の動きや発声です。一時的に現れる子どもも多く、経過をみてよいものです。しかし中には様々な運動チックと音声チックが1年以上持続し、日常生活に支障をきたすほどになるトゥレット症という病気もあります。このトゥレット症では、飛び上がる、自分の体や足を叩く、しゃがむ、おなかに力をいれる、単語をいうなど、複雑な動きや発声を伴うこともあります。症状は10~15歳ころに顕著になりますが、成人になっても症状が継続する場合もあります。治療としては、チックが現れそうになったときに、チックと拮抗した動きをするハビットリバーサルがあります。日本ではトゥレット症に有効性が認められた薬はありませんが、統合失調症の薬などが有効であることが知られています。
吃音とはスムーズに話すことができない状態をいいます。同じ音を繰り返したり、音が伸びたり、なかなか話し出せないといった様々な症状があります。吃音は、厳しい子育てや本人の精神的な弱さの結果ではなく、体質的な要素が強いことが知られています。
吃音があることで、からかいやいじめの対象となっていないか、また、学校の発表などが本人の苦痛となっていないかなどを把握し、環境調整を行うことが大切です。吃音の治療には、言語聴覚療法や認知行動療法が行われます。
一般的に、知的能力の発達が水準に達していない状態をいいます。ここでいう知的能力とは、日常生活において物事を行う能力のことを指します。小さなお子さんの場合、成長に個人差があるため、発達が遅れていても一概に知的障害とは言えないケースも多いのですが、気になる症状があれば、知能検査や発達検査などで医学的に判定することができます。知的障害を引き起こす原因としては、脳の発達障害や脳の病気・損傷などが考えられています。
TOPに
戻る